文部科学省は25日(火)、「医学部医学科に
おける不適切な事案の改善状況等に関する
調査結果」「不適切な事案を指摘した10大
学の医学部医学科の入学者選抜の実施結果
について」という2つの調査資料を公表し
ました。
不適切な事案を指摘した10大学とは、神戸
大学、岩手医科大学、順天堂大学、昭和大学、
東京医科大学、日本大学、北里大学、金沢医
科大学、福岡大学、聖マリアンナ医科大学の
10校です。このうち聖マリアンナ医科大学は、
文部科学省から「不適切入試」の疑いが強い
ことを指摘されましたが、その疑いを否定し
ています。
今回の文部科学省の調査資料を見ると、聖マ
リアンナ医科大学を含め、不適切入試を指摘
された各大学が、「医学部入試をどう改善した
か」、について詳細に書かれています。柴山文
部科学大臣は25日(火)の記者会見で今年度
の医学部入試について「公正かつ妥当な方法
で入試が行われた」としています。文部科学
省のホームページには、25日(火)の大臣記
者会見の内容が掲載されています。
昨年の文部科学省による医学部入試に関する
緊急調査の結果、「年齢による差別があった」
と指摘されたのは順天堂大学医学部、東京医
科大学、昭和大学医学部、北里大学医学部、
金沢医科大学、福岡大学医学部、聖マリアン
ナ医科大学の6医学部です。
この6校の今年度入試の結果を見ると、6大
学全てで浪人生や再受験生の合格者が増えて
います。22歳以上の合格者数を見ると、東京
医科大学が前年の3人から17人へ、順天堂
大学医学部が0人から5人、昭和大学医学
部が1人から4人、北里大学医学部が29人
から36人、金沢医科大学が36人から45人
、福岡大学医学部が36人から57人、聖マリ
アンナ医科大学が17人から38人と、どの大
学も大きく増えています。なお、この数字に
は編入学試験の合格者数は、含まれていませ
ん。
大学によって、22歳以上の合格者数がかなり
違うことが気になりますが、前年に比べ合格
者数が増えたことは確認できます。
「女子差別を行っていた」と指摘された東京
医科大学、順天堂大学医学部、北里大学医学
部、聖マリアンナ医科大学の女子合格率は、
4校全てで上昇しました。文部科学省の調査
結果を見ると女子の合格率は、東京医科大学
が3%から20%に、順天堂大学医学部が5%
から8%、北里大学医学部は11%から20%、
聖マリアンナ医科大学は5%から15%へと「
女子差別」を指摘された4つの医学部全てで
女子合格率は上がっています。
これから各医学部の入試要項が公表されて行き
ますが、各大学医学部の入試要項にどのような
変化があるのか注目していきます。医学部を目
指す多浪生、再受験生、女子受験生なども含め
全ての医学部受験生が迷いなく医学部受験に専
念できるようになることを祈ります。