医学部受験での合格を目指す受験生も、歯学部受験での合格を目指す受験生も、そして保護者の方も「偏差値」を非常に気にします。
実際の受験校を決める際の要因として「医学部の偏差値ランキング」、「歯学部の偏差値ランキング」は、大きな要因となります。
受験生や保護者の皆さんが「医学部の偏差値」、「歯学部の偏差値」を調べる際に見るのは河合塾の偏差値ランキングか、駿台予備学校の偏差値ランキングではないでしょうか?
それだけ河合塾と駿台予備学校がそれぞれ発表する「医学部の偏差値ランキング」、「歯学部の偏差値ランキング」は、信頼されているということです。
河合塾が発表する「偏差値ランキング」と駿台予備学校が発表する「偏差値ランキング」では、決定的な違いがあります。
もちろん大学ごとの偏差値で表される、評価にも多少の違いがありますが、何と言っても大きな違いは「駿台予備学校の偏差値ランキングは、偏差値1刻みで表されているが、河合塾の偏差値ランキングは偏差値2.5刻みで表されている」ことです。
ベネッセ(進研模試)の「医学部偏差値ランキング」、「歯学部偏差値ランキング」も
偏差値は1刻みになっています。
駿台予備学校、ベネッセの偏差値ランキングでは、偏差値60の一つ下は偏差値59です。
ところ河合塾の偏差値ランキングでは偏差値60の一つ下は偏差値57.5になります。
河合塾の偏差値ランキングに偏差値59も偏差値58もありません。
河合塾の全統模試の成績には、偏差値59も58もありますが、偏差値ランキングにはありません。
これは河合塾が「医学部の偏差値ランキングにしても歯学部の偏差値ランキングであっても、偏差値ランキングは偏差値1刻みで表すほど精密ではない」と考えているからです。
実際、メルオンの生徒たちを見ていても、偏差値どおりには行きません。
偏差値ランキングは目安としては使えますが、引きずられることは避けてほしいと思います。
先日たまたま「私立医学部の難易度を1位から31位まで順位付けする」という動画を見ましたが、これはさすがに無理があると感じました。
ただ、再生回数を見ると多くの方が見ていることが分かります。
動画制作者としては、「多くの医学部志望者に見てもらえる」、「再生回数を稼げる」と考えて、無理を承知で作ったのでしょう。
動画制作者は、「バズればいい」と考えているのかもしれませんが、「それってどうなんだろう」と考えてしまいます。
とは言え、多くの人が見ています。
難易度を1位から31位まで順位付けすると言っても、同じ大学であっても受験生によって取り組みやすさは異なります。
例えば、数学の証明問題を苦手にしている受験生と証明問題を得意としている受験生では、「証明問題を出題する大学なのか」によって難しさの感じ方は違うでしょう。
英語でも、「英作文はあった方がいい」と考える受験生と「英作文は避けたい」と考える受験生とでは、同じ大学であっても難易度の感じ方は異なるでしょう。
「私立医学部の難易度を1位から31位まで順位付けする」というのは、気楽に見るのは面白いのかもしれませんが、「真剣に見るものでは無い」ことは忘れないでください。