河合塾が来年4月入学者を選抜する2025年度入試についての分析を発表しました。
それによると、大学志望者は若干ながら増加に転じる、としています。
また、大学入学定員の大きな増加は見られないことから、ここのところ続いていた志願者減に伴う競争緩和は、「いったん落ち着く」としています。
18歳人口は2018年度から減少を続けて来ています。
それに伴って、大学受験の競争は緩和傾向にありましたが、現在の高校3年生に当たる、2025年度の18歳人口は一時的ではありますが増加に転じます。
これにより、ここのところ続いていた大学入試の競争緩和は「いったん落ち着く」ということです。
高校3年生のうち、大学進学を希望する生徒の割合、「大学志願率」は、上昇傾向にありましたが大学志願者数で見ると、やはり18歳人口の減少の大きさを解消するほどではありませんでした。
また、河合塾は「志願者の増加は、学校推薦型選抜と総合型選抜の志願者増が中心となるため学校推薦型選抜と総合型選抜の競争は厳しくなるものの、一般選抜は極端な難化は無いだろう」としています。
河合塾は、大学の動きについても「一般選抜から総合型・学校推薦型へシフトする動き」としています。
国立大学では京都大学法学部が後期日程での募集を廃止し、新たに学校推薦型選抜を実施します。
他の国立大学でも「一般から推薦へ」という、同じような動きが見られます。
併せて、国立大学の理系学部では学校推薦型選抜や総合型選抜で「女子枠」の創設・拡充の動きも見られます。
東京医科歯科大学と東京工業大学が統合して誕生する東京科学大学や名古屋大学、千葉大学、神戸大学などで女子枠が実施されます。
女子枠の導入は、今後も続くことが予想されますが当然、既存の募集人員が変化しますので、注意が必要です。
河合塾は、私立大学では共通テスト利用入試について触れています。
その中で、聖マリアンナ医科大学と獨協医科大学の「医学部共通テスト利用入試」について触れています。
聖マリアンナ医科大学は新たに医学部入試で、共通テスト利用入試を導入します。
一方で、獨協医科大学はこれまで実施していた医学部入試での共通テスト利用入試を取りやめます。
2025年度入試は新課程入試の初年度になりますので、これまでの出題傾向を参考にしにくい面もあります。
とは言え、出題範囲に大きな変更があるわけではなく、医学部入試でも歯学部入試でも旧課程履修者への配慮もあります。
落ち着いて医学部受験、歯学部受験に立ち向かって下さい。