週刊ダイヤモンドの2024年11月16日号は、「大学格差」を特集しています。
その中に「211大学1547学部、偏差値43年間の推移」という記事があります。
ここで取り上げられている「211大学」の中には、医学部を持つ大学、歯学部を持つ大学もあります。
今日は医学部の偏差値推移を見てみましょう。
ここで使われているのは、ベネッセの「医学部の偏差値」です。
まずは、「国立大学医学部の偏差値が43年間で、どう動いたか」を見てみましょう、
国立大学医学部の偏差値推移(旧帝国大学)
大学 1892年 2,024年 差
東京 80 80 0
京都 79 79 0
北海道 70 73 3
東北 74 73 -1
名古屋 74 73 -1
大阪 77 77 0
九州 75 73 -2
どうですか?
皆さんとしては、「かなり偏差値は上がったんだろう」と思われていたのではないでしょうか?
実は難関医学部は昔から「最難関」だったことが分かります。
中には、1982年に比べ偏差値が下がった大学もあります。
では、次にその他の国立医学部の偏差値推移を見てみましょう。
主な大学を表にしました。
国公立大学医学部の偏差値推移
大学 1982年 2024年 差
弘前 66 68 2
秋田 65 68 3
群馬 67 69 2
福井 65 68 3
三重 65 70 5
岡山 71 72 1
鳥取 66 68 2
徳島 66 68 2
大分 65 68 3
旧帝国大学ではない国立大学医学部の偏差値も、42年前とそれほど変化は無いですね。
国立大学医学部は、以前から難しかったことが分かります。
実は公立大学医学部も同じような感じです。
「医学部は難しくなった」と言われるのは、私立医学部の話なのでしょうか?
では、42年間の私立医学部の偏差値を見てみましょう。
私立医学部の中でも難関医学部と言われる大学の偏差値です。
私立医学部の偏差値推移 1
大学 1982年 2024年 差
慶応 80 78 -2
日本医科 68 73 5
大阪医科 68 73 5
私立医学部の中でも難関と言われる大学では、慶応医学部は偏差値が下がりましたが、偏差値が上がっている傾向は見られます。
この他の私立医学部の偏差値推移を見てみましょう。
大学 1982年 2024年 差
岩手医科 58 72 14
金沢医科 43 71 28
愛知医科 48 72 24
川崎医科 53 70 17
福岡 55 71 16
帝京 51 72 21
埼玉医科 53 72 19
北里 54 71 17
杏林 50 71 21
聖マリ 53 72 19
近畿 58 73 15
兵庫医科 56 71 15
女子医 59 71 12
日本 58 72 14
順天堂 50 71 21
慈恵 64 75 11
私立医学部の偏差値は、この43年間で大きく上昇しています。
以前は、それほど難しくなかった大学もあったのですが現在では、どの大学医学部も大学受験全体の中で特別に難しい大学ばかりになっています。
「医学部が難しくなった」のは「以前は難しくない大学もあったが、現在はそういった大学は全くなくなった」からです。
以前はあった「すべり止め」と言える大学は、現在は全くなくなりました。
この状況は、しばらく変わらないと思います。