東洋大学が学力試験も行う学校推薦型選抜(推薦入試)を今年、新規に実施することが大きな話題になりました。
専願制ではないこともあり、この新しい学校推薦型選抜は大学全体で2万人ほどの志願者を集めた、とのことで、すでに合格発表も終えています。
これに対して文部科学省が、大学を呼んで「ルール違反」と注意を与え、指導したことが報じられました。
文部科学省は、高校や大学と協議して毎年、「大学入試実施要項」を定めていますが、この実施要項では「学校推薦型選抜を含めて学力試験の実施は2月1日から3月25日まで」としています。
これを根拠に、東洋大学の学力試験も課す学校推薦型選抜は「ルール違反」としました。
医学部受験や歯学部受験を考える受験生や保護者の方は「年内に行われる学校推薦型選抜では、学力試験をやってはいけない?」と驚いたと思います。
私立医学部の学校推薦型選抜でも私立歯学部の学校推薦型選抜でも、学力試験は当たり前の感覚です。
この学力試験も課す学校推薦型選抜に対し、高校からは反発の声が上がっているようです。
「11月の学力試験では、高校の授業が終わっていない」、「一般選抜の前倒しで高校の事情を無視している」とのことのようです。
私立中高一貫校の中には、高校2年までに3年間で学ぶことを終える高校もありますが、高校の中には「11月では履修範囲は終わっていない」高校もあるということです。
ただ、そういった「大学入試実施要項」があっても、医学部や歯学部では学力試験のある学校推薦型選抜が、これまで長く行われてきました。
学校推薦型選抜だけでなく、岩手医科大学医学部や金沢医科大学などでは総合型選抜でも学力試験を行っています。
関西の私立大学では、これまでも学力試験付きの学校推薦型選抜を行ってきています。
例えば、近畿大学では医学部の推薦入試で学力試験を行っていますが他の学部の推薦入試でも学力試験をおこなっています。
これについても、文部科学省としては、「ルールを守るよう指導する意向」のようです。
そうなると、私立医学部の総合型選抜、学校推薦型選抜や私立歯学部の学校推薦型選抜では学力試験が無くなるかもしれません。
「文部科学省がどこまで本気で指導するのか」、によると思いますが、長年続いてきた学力試験を課す年内入試が急になくなることは無いように思います。
ちなみに文部科学省の「大学入試実施要項」では、「学力試験は2月1日から」としていますが、来年1月中には私立医学部一般選抜が13大学で行われ、6大学で私立歯学部一般選抜が行われます。
もちろん、学力試験がメインの医学部入試、歯学部入試です。