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「過去問は何んのために解くのか」を理解しないと無駄な時間になります。

医学部入試も歯学部入試も間近に迫ったこの時期、受験校の「過去問」を解いている受験生は多いでしょう。
過去問を解く意味・意義を理解して解いていますか?
ここが曖昧なまま過去問を解いても「時間の無駄」になってしまう恐れがあります。

過去問は、その大学では2度と出ない問題の集まりです。
「過去問活用宣言」をしている大学もありますが、ここで言う過去問は、「他大学の過去問」です。

2度と出ない問題を解けたと言って喜んだり、解けなかったと落ち込むことにあまり意味はありません。

では、受験校の過去問を解くことは意味のないことでしょうか?
そんなことはありません。
十分に意味のあることです。
ただし、過去問を解くことの意味・意義をしっかり理解している、ことが欠かせません。

では、過去問を解く意味とはなんでしょう?

傾向分析は、考える必要の無いことです。
国公立大学医学部や国公立大学歯学部専願であれば、一般選抜で最大2校しか受けることが出来ませんで、自分なりの傾向分析も出来るでしょう。

しかし、私立医学部入試や私立歯学部入試では、5校程度は受けることになるでしょう。
私立医学部一般選抜では10校受ける受験生は少なくありません。
多くの大学の傾向分析を自分でやっている時間はありません。

受験校数が多い場合は、「あの大学とこの大学では、ここは出ない」、でも、「あっちの大学は、ここをよく出す」となって、結局「どの分野、項目もやらなければならない」ことになってしまいます。

私立医学部入試、私立歯学部入試の過去問演習は、まず「試験時間は十分あるのか?」を確認してください。
「試験時間内に解き終えることは難しい」となれば、「どういう順番で、どこまで解くか」を考えてください。
もちろん、科目ごとです。

この時、必ずチェックしてほしいのが「合格最低点」です。
医学部受験も歯学部受験も、極端な話をすれば「いかに合格最低点を取るかの戦い」です。

合格最低点が65%の大学であれば、合計点で65%取ればいいので、科目ごとに目標点を考え、時間が足りない科目で目標点を取るためには「どういう順番で、どこまで解くか」を考えてください。

当然、一人ひとり違うはずです。

数学で小問集合が出題される大学では、小問集合は全問解きたくなりますが、東京医科大学のように、小問の中に手強い問題が紛れている大学もあります。
過去問を解くことで、そういったことを確認してください。

福岡大学医学部の英語は、他の医学部の英語と出題順が異なっていますので知らないと驚くかもしれませんし、順番に解いていくのは賢い解き方とは言えません。
東京歯科大学では和訳は出題されませんが、書き出しが与えられた短文英訳が出題されますので、それを知ることで慣れておくことが出来ます。

この他に「問い方にクセが無いか」も過去問を解くことで確認できます。
例えば「誤っているものを全て答えよ」というように「全て」と問われる大学は注意が必要です。
また、マーク式か記述式か、記述式なら答えだけを書くのか、途中式も書くのか。
選択問題があるのか、なども過去問で確認しておくことで試験当日、落ち着いて解くことが出来るでしょう。

過去問をたくさん解くと、学力が付くように思う受験生もいるようですが、系統立てて作られた問題集とは違いますので、「ひたすら過去問を解きまくる」のはおススメしません。

あくまで過去問演習は、「合格最低点を確実に取るための作戦を考える」ために行うのだ、と考えてください。

合格最低点が250点なら、250点を目標として考えてもいいですし、10%増しの275点を目標としてもいいでしょう。

ただし、3割増しの325点を目標にするのは間違いです。
325点を目標にしておけば、多少失敗しても275点は取れる、と考えるのでしょうが、275点と325点では、試験時間の使いかたが違ってきます。
少しでも高い点数を目標にしたい気持ちは分かりますが、私はおススメしません。