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歯科医師国家試験の合格発表、トップ2は国立を抑え私立歯学部2校

今年の2月1日(土)、2日(日)に行われました第118回歯科医師国家試験の合格発表が本日行われ、2136人が歯科医師国家試験に合格しました。
合格率は70.3%で、長年続いていた合格率60%台の壁を打ち破りました。

これまで長く歯科医師国家試験の合格率は60%台が続いていましたが、これは厚生労働省が「歯科医師が多すぎる」と考えて、合格率を絞っている、と考える人が多くいました。

確かに歯科医師数は増加の一途だったのですが、一転して減少に入りました。
歯科医師の大量引退時期に入りましたので、歯科医師国家試験の合格率も上がったのかもしれません。

歯科医師国家試験合格率の推移(新卒+既卒)
( )は新卒のみ
実施年 合格率(%)
第109回 2016年 63.6  (72.9)
第110回 2017年 65.0  (76.9)
第111回 2018年 64.5 (77.9)
第112回 2019年 63.7 (79.4)
第113回 2020年 65.6 (79.3)
第114回 2021年 64.6 (80.2)
第115回 2022年 61.6 (77.1)
第116回 2023年 63.5 (77.3)
第117回 2024年 66.1 (81.5)
第118回 2025年 70.3 (84.0)

厚生労働省は歯科医師国家試験の結果について、大学別の結果も発表しています。
国立歯学部、公立歯学部、私立歯学部別に見てみましょう。

第118回歯科医師国家試験合格率

新卒+既卒 新卒 既卒
国立 80.4% 89.7% 46.1%
公立 77.2% 83.8% 53.6%
私立 67.2% 82.1% 44.7%
歯学部等総合計 70.3% 84.0% 44.9%

これを見ると、はっきり分かることがあります。
それは、国公立でも私立でも「歯科医師国家試験は新卒と既卒で合格率に大きな差がある」ということです。

国公立歯学部に入学する受験生は、いわゆる「偏差値の高い受験生」ですが、歯科医師国家試験に卒業と同時に合格出来なかった既卒生の合格率は急激に下がります。
歯学部入学後に学ぶ内容は、歯学部生全員がゼロからのスタートです。

受験勉強では強さを見せていた人も、歯学部入学と同時にリセットされます。
結局、「歯学部入学後の日々の勉強の積み重ねこそが何より大切」ということです。
ここを怠ってしまうと歯学部を卒業したとしても、歯科医師国家試験に合格することは難しくなってしまいます。

「試験前に頑張ればいい」は全く通じません。

歯科医師国家試験が控えていますので、私立歯学部で定員割れを起こしている大学でも、受験者全員合格とはしていません。
合格率が悪いと補助金カットの理由とされてしまいます。

厚生労働省は第118回歯科医師国家試験の大学別合格状況も発表しています。
すべての歯学部の中で、新卒と既卒を合わせた合格率1位は95.6%の東京歯科大学でした。
東京歯科大学は新卒合格率97.0%でしたが、既卒合格率は33.3%とやはり既卒の合格率は厳しいものがありました。

歯科医師国家試験合格率2位は、合格率92.9%の昭和大学歯学部でした。
国公立歯学部を抑えて合格率上位は私立歯学部2校となりました。

ちなみに昭和大学歯学部の新卒合格率は97.7%、既卒の合格率は58.3%でした。

なお、大阪歯科大学の新卒合格率は100%、全員合格でした。
一見、素晴らしい結果とも思えますが、新卒100%合格を手放しで称賛するのもどうかとも思います。

そのあたりについては次回にお伝え致します。