「横浜市の公立小学校を卒業して公立中学に進学、そして推薦で日本大学藤沢高校に進学、大学は内部推薦で日本大学理工学部建築学科に進み卒業後、東京国税局に入局、そして2年ほどで退職しアルバイトをしながらお笑い芸人としても活動していた人が38歳で東大に合格」という記事がありました。
高校進学は中学からの推薦、大学進学が日大附属の内部推薦と、まともに受験勉強をした経験のない人がお笑い芸人とアルバイトをしながら、一念発起して35歳から東大を目指し、38歳でついに東大に合格しています。
この人が「東大を目指そう、自分なら出来ると思った理由」と「最後まであきらめずにやり切れた理由」についても語っています。
世の中には、こういった人もいるんですね。
素晴らしいことだと思います。
私も医学部受験、歯学部受験に立ち向かう受験生の皆さんのご指導に大変参考になる話でした。
国税局を退職し、お笑い芸人とアルバイトの日々を続け芸歴10年となった35歳の時に「東大を目指そう」と思ったとのことですが、高校受験は推薦で進学し大学受験は付属校からの内部推薦で日大理工学部に進んでいますので、およそ受験勉強とは縁のない人でした。
また、「自分が賢いなんて思う機会は全くない」人生だったようです。
この人が「東大を受験する」、「自分なら東大に合格できる」と思ったのは、一緒に仕事をした人たちを見てのことだそうです。
お笑い芸人をしながら一緒に仕事をした人たちは有名国立大学や早稲田大学や慶応大学などのいわゆる一流大学を卒業した人達が多かったようなのですが、「この世の中で最もだらしない職業である芸人。そんな芸人の端くれのぼくより、だらしない人が多かった」と感じていたようです。
「すぐにメールの返信をしない」、「納期を守らない」、「容易に他人の時間を奪う」、「報酬の振り込みが遅れる」、「ミスがあっても謝らない」こういったことの集積から、「彼らより自分の方が論理的に思考し、短い時間で判断することに長けている」と感じるようになり、そこから「自分は賢いかもしれない」と考える様になり、東大受験を決意したようです。
記事には具体的な勉強方法については書かれていませんでしたが医学部受験、歯学部受験に向かって頑張っている受験生の皆さんに非常に参考になる話がありました。
この人が仕事をしながらの東大受験を諦めないために用意したものがありました。
それは「20個ほどの受験する理由」です。
「20個無ければ、勉強を続けることは難しかっただろう。それぞれの理由が僕のモチベーションに与える影響は波がある。理由が少なければ、もういいやと受験をやめてしまうこともあっただろう」
「毎年3月には浪人を決める受験生が数万人いる。受験勉強を続けるなら、どうして浪人までしてその大学に入りたいのか、理由を複数考えるとよい。それがきっと君の力になる」と書いています。
考えてみると、医学部や歯学部を目指す理由は1つである必要はありません。
改めて「自分はどうして医学部(医師)を目指すのだろう?」、「歯学部に行きたい(歯科医師になりたい)理由は何なのだろう」をじっくり考えてみるのもいいと思います。
そのことが厳しい受験勉強を乗り越えるモチベーションにつながると思います。
医学部や歯学部を目指す受験生の親御さんは一度、受験生本人に「なぜ医師(歯科医師)を目指すのか」を、問いかけるのも良さそうです。
この元芸人さんの東大生は、2月に40歳の誕生日を迎え、25人の東大同級生たちと13時から23時までの誕生会を開いたと書かれていて、充実した学生生活を送っていることが分かります。
ゼロからのスタートで、仕事をしながらの3年の受験勉強で東大に合格するというのは非常に稀なケースかもしれませんが、実際にこういう人がいることも確かなことです。
この方は35歳からの受験でしたが、もともと高い能力を持っていたのかもしれませんが、なんといっても「不退転の決意」と「複数の受験する理由」が東大合格の最大の秘訣だと思います。
この方の芸名は「さんきゅう倉田」で、本も出されているようです。