医学部推薦入試

医学部受験・歯学部受験では、こういった話に惑わされないで下さい。

 

目次

1,回答者は子ども4人、全員を東大理3に合格させた母親

2,推薦入試と一般入試の両方を目指すのはリスキー?

3,医学部推薦入試と歯学部推薦入試の勉強は、一般入試の勉強にもなります。

4,私立医学部受験、私立歯学部受験では、推薦の受験校は一般でも受けます。

 

1,回答者は子ども4人、全員を東大理3に合格させた母親

 

朝日新聞が運営する、大学受験における親と子のギャップを埋める「Thinkキャンパス」というサイトがあります。

 

ここに、4人の子ども全員を東大理3に合格させた「佐藤ママ」が「推薦入試と一般選抜」に関する質問に答える記事が掲載されました。

 

子ども4人全員を、日本の大学入試で最難関と言われる東京大学理科3類に合格させた母親が話すわけですから、受験生を持つ母親への影響力は非常に大きなものがあるでしょう。

ただ、私立医学部や私立歯学部を目指す受験生の母親は、この話に惑わされないで欲しいと思います。

 

2,推薦入試と一般入試の両方を目指すのはリスキー?

 

この記事では、子供が推薦入試(学校推薦型選抜)を目指す母親からの質問「第一志望に考えている私立大学は、一般選抜で目指す場合、高校の全科目に力を入れていると間に合わないと聞いたことがあります。中間・期末テストで点数を取って学内上位をキープしながら、一般選抜の受験勉強もできるか心配です」という質問に佐藤ママが答えます。

 

質問内容をまとめると、「高校から推薦を貰うために全科目を頑張りながら、一般選抜に向けて必要な科目の勉強は出来るものか?」と言うことです。

 

これに対して佐藤ママは、「学校推薦型選抜では限られた枠を狙いに行くわけですから、実はとてもリスキーな勝負です。もし、推薦がダメだった場合、一般選抜に切り替えて間に合うかといったら、当然間に合わないです」と答えています。

 

さらに「両方を目指しながら一般選抜となった場合、現実的には第一志望の私立大学よりレベルを落とした大学を狙うことになると思います」とも話しています。

 

回答者は4人の子供が東大理3を受験した時は、推薦入試は全く考えていなかったとのことです。

当時、東大理3では、そもそも推薦入試をやっていなかったように思います。

それなら推薦入試を考えることは無いですね。

また、私立大学の受験は全く考えていなかったようです。

東大理3が厳しいようなら京大医学部、それも厳しいようなら阪大医学部、いずれも一般入試を考えていたとのことです。

ですから、推薦入試、現在の学校推薦型選抜、特に私立大学の学校推薦型選抜についてはあまり詳しくないのかもしれません。

 

3,医学部推薦入試と歯学部推薦入試の勉強は、一般入試の勉強にもなります。

 

私立大学医学部の学校推薦型選抜、私立大学歯学部の学校推薦型選抜は、ほとんどの場合,学力勝負です。

医学部では昭和医科大学医学部、帝京大学医学部、日本大学医学部、北里大学医学部、大阪歯科薬科大学医学部、関西医科大学、久留米大学医学部など、推薦入試では学力試験があるのが当たり前で、一般選抜の試験科目とも重なっています。

 

久留米大学医学部や福岡大学医学部のように一般選抜に比べ試験科目が少ない大学はありますが、学校推薦型選抜に向けて勉強したことは、そのまま一般選抜の準備になっています。

 

中には東京女子医科大学の学校推薦型選抜のように、英語や数学などの学力試験が課されない場合もありますが、非常に稀なケースです。

 

私立医学部の学校推薦型選抜を受験して、万一思うような結果が出なくても基本的にスムーズに一般選抜に向かうことが出来ると考えて下さい。

「推薦ダメだったら一般は間に合わない」と恐れる必要はありません。

 

私立歯学部の学校推薦型選抜も同様で東京歯科大学、昭和医科大学歯学部、日本歯科大学、日本大学歯学部、大阪歯科大学といった歯学部人気校の学校推薦型選抜では学力試験が課されます。

そして、推薦の試験科目は一般選抜より少ない大学もありますが、一般選抜の試験科目と重なり、学校推薦型選抜に向けた勉強は一般選抜に向けた勉強になります。

 

私立歯学部の学校推薦型選抜でも「推薦ダメだったら一般は間に合わない」と恐れる必要はありません。

 

4,私立医学部受験、私立歯学部受験では、推薦の受験校は一般でも受けます。

 

私立医学部でも私立歯学部でも、学校推薦型選抜で受験した大学は一般選抜でも受験するでしょう。

第一志望なら当然です。

 

国立大学医学部や歯学部の一般選抜は前期と後期で最大2校しか受けられませんが、私立医学部や私立歯学部の一般選抜では、多くの大学を併願するのが一般的ですから、推薦受験校は一般でも受けるでしょう。

 

「両方を目指しながら一般選抜となった場合、現実的には第一志望の私立大学よりレベルを落とした大学を狙うことになると思います」と言うのは、「偏差値的に下の大学を狙う」と言う意味かなと思いますが私立医学部受験、私立歯学部受験ではそういったことは無いでしょう。

 

私立医学部の学校推薦型選抜では、評定平均での制限がある大学が多くあります。

出願資格の評定平均を得るために、全科目を頑張るのは分かります。

ただし、「評定平均が高い方が有利」ということは全くありません。

大学は全国全ての高校の事情を分かっているわけではありませんので、自分の大学で行う試験で判断せざるを得ません。

 

自分の評定平均が志望校の受験資格を満たしているのであれば、全科目を頑張る必要はありません。

合格に必要な科目に絞って勉強を進めてください。

 

私立医学部受験、私立歯学部受験は専門家のアドバイスを頼りにした方が良さそうです。