私立歯学部受験生の人気1位を争うのが、
東京歯科大学と昭和大学歯学部です。この
2校は毎年、志願者数で私立歯学部のトッ
プを争っています。
今年度の一般入試Ⅰ期の志願者数では、昭
和大学歯学部が東京歯科大学を上回りまし
た。一方、一般入試Ⅱ期では、東京歯科大
学の志願者数が昭和大学歯学部を上回りま
した。東京歯科大学と昭和大学歯学部は、
Ⅰ期とⅡ期で1勝1敗といった感じです。
私立歯学部受験生は、一般入試では医学部
志望者も出願してくるため、出来れば一般
入試の前の推薦入試、AO入試で歯学部へ
の進学を決めたいと考える傾向にあります。
東京歯科大学も昭和大学歯学部も、推薦入
試を行っていて、歯学部受験生はどちらの
大学歯学部の推薦入試を受験するのか迷う
と思います。
昨年11月に行われた両大学歯学部の推薦
入試の志願者は、東京歯科大学が募集人員
約45名に対し志願者は129名、合格者は
61名で、倍率は2.11倍となりました。
昭和大学歯学部の推薦入試は、募集人員
25名に対し志願者は68名、合格者は26名
でした。昭和大学歯学部推薦入試の倍率は
2.62倍でした。
推薦入試の志願者数では、東京歯科大学の
方が多く集めていますが、これは募集人員
の差の他に、試験科目の違いが大きく影響
しています。
東京歯科大学の推薦入試では英語、数学、
理科1科目、小論文、面接が課されます。
昭和大学歯学部の推薦入試の試験科目は、
英語、数学、理科2科目、小論文、面接と
なります。数学の試験範囲は昭和大学歯学
部は数学Ⅰのみですが、東京歯科大学は数
学Ⅰの他に数学Ⅱ、数学A、数学Bも含ま
れます。東京歯科大学の数学の方が試験範
囲は広いのですが、一般入試では昭和大学
歯学部も同じ試験範囲となりますので、歯
学部受験生は準備をしているでしょう。
一方、理科は東京歯科大学が1科目に対し
昭和大学歯学部の推薦入試では、基礎科目
とは言え2科目を解く必要があります。
私立歯学部入試で、基礎科目とは言え理科
2科目を課されるのは、昭和大学歯学部の
推薦入試だけです。同じ昭和大学歯学部で
も、一般入試ではⅠ期もⅡ期も理科は1科
目になります。「理科2科目」と言うと推
薦入試で医学部志望者を入学させたいよう
にも見えますが、昭和大学歯学部の入試担
当者に「理科2科目」の狙いをお聞きした
際には「医学部志望者を意識したわけでは
無い」とのことで、別の理由をお聞きしま
した。
私立歯学部受験生にとって、昭和大学歯学
部推薦入試のためだけに理科2科目の受験
勉強を行うことは、ためらいがあるでしょ
う。このことが推薦入試では、昭和大学歯
学部の志願数が限られる一つの要因です。
ただ、志願者数が少ないといっても倍率は
東京歯科大学推薦入試とそれほど変わるわ
けではありません。東京歯科大学、昭和大
学歯学部のどちらの歯学部推薦入試を受験
するのか、じっくり考えてください。
東京歯科大学にせよ、昭和大学歯学部にせ
よ、面接では「なぜ歯科医を目指すのか?」
「東京歯科大学(昭和大学歯学部)の何が
いいのか」が聞かれます。歯学部受験生は
特に「大学志望理由」で苦労するようです。
例えば東京歯科大学なら「歯科医師国家試
験合格率がいいから」と答える受験生が多
いと思いますが、受験生皆が同じ答えに
なってしまいます。今日、メルリックスで
は東京歯科大学、昭和大学歯学部それぞれ
の入試担当者をお招きしての入試説明会を
行いました。それぞれの大学の入試担当者
のお話しをお聞きすると「大学としては、
受験生にこういう所も見て欲しい」と言う
点がいくつかあることを感じました。
昭和大学歯学部の説明の中で「学科の点数
は合格点に十分に達していても、面接で不
合格になる受験生がいる」との話がありま
した。歯学部受験生の皆さんは、面接では
面接官が満足する答えを準備するようにし
てください。自分が満足する答えではなく、
歯学部の面接官が満足する答えです。