医学部入試

医学部の面接、歯学部の面接、これだから落とされる

 

目 次

1,すべての医学部、歯学部で面接がある

2,東海大学医学部「展学のすすめ」では15人が面接で落とされた

3,定員割れの歯学部でも面接がダメなら落とす

4,大学の本音を知らない人の面接指導では安心できない

5,自分や指導者が満足する答えではなく、面接官が満足する答え

 

1,すべての医学部、歯学部で面接がある

 

医学部は国立・公立・私立を合わせて82校ありますが、全ての医学部で入試では面接試験を行っています。

歯学部も大阪歯科大学が一般選抜の面接を廃止しましたが、学校推薦型選抜では面接を行うように、面接を全く行わない大学はありません。

 

医学部や歯学部を志望する受験生の皆さんに気を付けていただきたいのは最近、入試要項に「面接試験の評価が低い場合は学力試験の成績に関わらず、不合格とする」とはっきり明記する大学が増えていることです。

 

入試要項に明記されていなくても、どの医学部もどの歯学部も考えは変わりません。

「学力あっても、面接ダメなら入れない」と言うことです。

 

医学部受験、歯学部受験では「面接が素晴らしいので合格」と言うことはありませんが、「面接がダメだから不合格」はあります。

面接に多くの時間を費やす必要はありませんが、いい加減な準備では非常に心配です。

 

2,東海大学医学部「展学のすすめ」では15人が面接で落とされた

 

東海大学医学部の「展学のすすめ」入試は募集人員10名で1次試験には21名が合格し全員が2次試験に臨みました。

2次試験の合格者は募集人員10名に対し6名と、4名も欠員が出てしまいました。

 

1次試験の筆記試験を通った21名が面接のみの2次試験を受けて6名しか合格出来ませんでした。

15名が面接で落とされています。

まさに「面接ダメなら落とす」です。

 

東海大学からは具体的に「面接で何が満足できなかったか」についてお聞きしましたが、大学医学部の本音を聞いた感じがしました。

 

3,定員割れの歯学部でも面接がダメなら落とす

 

歯学部でも私立大学の中には定員を割っている大学もありますが、定員割れの歯学部でも受験者を全員合格させてはいません。

文系学部であれば受験者全員合格もあるのでしょうが、歯学部の場合、歯科医師国家試験が控えていますし、在学中のCBTもあります。

国立、公立、私立の全ての歯学部生が受けるCBTで合格できないと、その先に進むことは出来ません。

 

こういったことがありますので、歯学部では例え定員を下回ったとしても全員合格とはしていません。

 

歯学部入試で最後に合否を左右するのは面接です。

文部科学省の調査によると国立大学、公立大学、私立大学の全ての歯学部で一度も留年せず、歯科医師国家試験も1回で合格した学生の割合は53.4%です。

難関国立大学の九州大学歯学部でもストレート卒業、国試一発合格者の割合は54.7%で、それだけ現在の歯学部は厳しいのです。

 

ですから、「入学後、本気で歯学部の授業に取組めるのか」を確かめる面接が重みを持つのです。

 

4,大学の本音を知らない人の面接指導では安心できない

 

メルオンでも面接指導を行いますが、「高校で面接練習しています」、「塾(予備校)で面接指導を受けています」という受験生は少なくないのですが、実際に面接指導を行うと「どんな面接指導を受けてきたんだ?」と思わされることがよくあります。

 

これは、高校や塾・予備校の面接指導を担当する先生が「医学部の面接だから、こうだろう」、「歯学部の面接だから、こうだろう」と想像で指導されているからだと思います。

 

「医学部の面接官、歯学部の面接官は、どこを見ているのか」、「どういった答えを期待しているのか」、「面接官の本音はどこにあるのか」といったことが分からないまま、想像で「こうだろう」と指導しているのだと思います。

 

想像ではなく、医学部や歯学部の方と何度も会って直接、面接について聞かないと大学の面接に対する本音は分からないと思います。

 

高校や塾・予備校で面接を指導する先生にぜひ聞いていただきたいことがあります。

それは、「医学部(歯学部)の面接は、何のために行うのですか?」です。

 

恐らく、ほとんどの先生が「将来、良き医師(歯科医師)になるかどうかを見極めるため」とおっしゃると思います。

医学部や歯学部の方と何度も会っていれば、そういった答えは出て来ないはずです。

想像で面接指導をしていると考えて間違いないでしょう。

 

想像での面接指導で終わってしまうと、面接官の期待とズレる恐れがあります。

 

面接の答えは一人ひとり違うはずで、「こう答えればいい」というマニュアルはありません。

だからこそ面接指導で「自分の答え」を磨く必要があります。

 

5,自分や指導者が満足する答えではなく、面接官が満足する答え

 

ここで大切なことは「自分や面接指導者が満足する答え」ではなく、「大学の面接官が満足する答え」を準備することです。

 

私は1回の面接指導は30分から45分が適切だと考えていて、それ以上長くやっても、意味がないと考えています。

面接では自分のことを自分の言葉で話す必要があります。

 

面接指導で「ここはこういった感じ、内容で話した方がいい」と言う点があれば、次回までに自分の言葉で話せるようにしてもらい、次回に確認します。

受験生の話を聞き、その話を基に「例えば、こんな感じで言うといいよ」と例を出し、それを自分の言葉で言えるようにしてもらうのですが、せいぜい45分あれば十分です。

 

あくまで、「面接官にどう聞こえるか」を考えて指導します。

そして、ここは時間を掛けるところではありません。

 

出入りについても私は最初に「どうでもいい」と言います。

受験生がドアを蹴飛ばして入室はしないでしょう。

「ノックは何回。お辞儀は何度」といった指導をすることで、本番でそこに気を取られることの方が良くないと思っているからです。

ざっと、「こんな感じでいいよ」とは話しますが、「こうやりなさい」とは言いません。

 

そもそもドアが無かったり、係の人から「ノックはしないで入って下さい」と言われることもあります。

 

医学部や歯学部の面接で、何より大切なことは受け答えです。

受験生の皆さんは、「面接官が満足する答え」そこに集中してください。