医学部入試

 

目次

 

1, 医学部受験は飛び抜けて難しい

2, 難関の医学部入試でも「推薦」はチャンスが広がる

3, 医学部の推薦入試、受験校はどう決める?

4, 指定校と公募なら指定校。地域枠も検討を

5, 自分に合った試験内容の医学部推薦入試

 

1,医学部受験は飛び抜けて難しい

 

「医学部受験は大学受験全体の中でも飛び抜けて難しい」ということは、医学部を目指す受験生の皆さんなら十分に理解しているでしょう。

先日の「医学部の偏差値」についての記事の中でも触れましたが早稲田大学、慶應義塾大学で最も難しい学部・学科に合格出来るレベルの学力では、私立医学部難関校には合格出来ません。

 

私立医学部の難関校に合格するためには、医学部を除いた私立大学理系で最難関に合格出来るレベルの、もう一段階上の学力

レベルが必要です。

現在の医学部入試は、それだけ難しくなっています。

 

最近の大学受験では、「行きたい大学より行ける大学」志向が強く、浪人生が大きく減少しています。

例えば、今から20年前の2003年度入試ではセンター試験出願者のうち、浪人生(既卒生)は28%でした。

それが5年前の2019年度入試で、共通テスト出願者のうち浪人生(既卒生)は19%となり、今年の2023年度入試では既卒生の割合は14%にまで減少しています。

20年前は28%だった浪人生の割合が14%にまで減少しています。

 

人数で言えば、共通テスト出願者の浪人生は、2019年度の10万7千人から2023年度では7万2千人に、わずか3年で3万5千人も減少しています。

 

一方で、私立医学部一般選抜の合格者を見ると、ほとんどの大学で1浪生が最も多くなっています。

また、3浪以上の「多浪生」と言われる受験生も少なくありません。

現状、医学部受験では、「浪人やむなし」という感覚があると言っていいでしょう。

 

2.難関の医学部入試でも「推薦」はチャンスが広がる

 

医学部受験は、国公立医学部でも私立医学部でも、その難しさは突出しています。

そんな医学部受験で一般選抜に比べ、チャンスが大きいと考えられるのは学校推薦型選抜(推薦入試)です。

 

医学部の推薦入試が一般選抜に比べ、「合格のチャンスが広がる」理由の1つ目が、「受験資格を満たした受験生しか受けることが出来ない」です。

受験資格が「現役のみ」の医学部も多く、評定平均での制限もあります。

受けることが出来る受験生が限られる医学部入試ですから受けることが出来れば、誰でも受けることの出来る一般選抜に比べ、合格のチャンスは大きくなります。

 

医学部の推薦入試が一般選抜に比べ、「合格のチャンスが広がる」理由の2つ目は、「様々な試験内容の試験があり、自分に合った試験内容の大学を受けることが出来る」です。

 

福岡大学医学部や久留米大学医学部の学校推薦型選抜のように、「学力試験は英語と数学

のみ」の医学部もあります。東京医科大学医学部推薦のように、学力試験では英語が出題されない代わりに小論文で、「英語小論文」が出題される医学部もあります。東京女子医科大学医学部の推薦入試では学力試験は課されず、代わりに能力試験的な思考力試験が課されます。英語は一切、出題されません。

 

国立大学医学部では、山形大学医学部や新潟大学医学部、滋賀医科大学医学部のように、「学校推薦型選抜の学力試験は共通テストのみ」の医学部もあります。

こういった医学部は共通テスト対策に集中することが出来ます。

 

医学部受験での合格を目指すのであれば、一般選抜だけでなく学校推薦型選抜の受験も考えるといいでしょう。

 

3,医学部の推薦入試、受験校はどう決める?

 

そこで問題となるのが「いったいどこの医学部推薦を受ければいい?」です。

 

医学部の推薦入試には指定校制と公募制があります。

また、地域枠もあります。

地域枠には、岩手医科大学医学部推薦の地域枠Aや愛知医科大学医学部推薦愛知県地域特別枠A方式、東京医科大学医学部推薦の茨城県地域枠のように出身地制限の付いた地域枠もあります。

同じ東京医科大学医学部推薦の埼玉県地域枠や新潟県地域枠のように、出身地制限の無い地域枠もあります。

ちなみに東京医科大学医学部では、今年から全国を6ブロックに分けた「全国ブロック別学校推薦型選抜」を実施します。

また、久留米大学医学部の学校推薦型選抜には、卒業後は久留米大学病院などでの勤務が条件の「久留米大学特別枠」もあります。

 

4,指定校と公募なら指定校。地域枠も検討を

 

こうなってくると、医学部推薦入試の受験校をどう決めればいいのか途方に暮れるかもしれません。

 

一般論で言えば、まず「指定校は無いか」を確認して下さい。公募制に比べ指定校制の場合は、より受験者が絞られますので合格の可能性は広がります。

 

地域枠も検討してください。

特に、出身地制限のある医学部地域枠は狙い目です。

 

5,自分に合った試験内容の医学部推薦入試

 

そして、試験内容です。

 

例えば、高校が獨協医科大学と北里大学医学部の指定校になっているとすると、どちらに出願するか、悩むと思います。

まずは、入試結果から「倍率」を見て下さい。

複数の「枠」を併願出来る場合は、併願した際の倍率を考えて下さい。

 

次に、試験内容です。

北里大学医学部の指定校推薦入試では2回の面接があり、これが合否に大きく影響します。

コロナ禍も落ち着きを見せているので、今年は受験生3人のグループでの面接が2回になると思います。

北里大学医学部では、このグループ面接・グループ討論を男子と女子に分けて行います。

男女一緒だと、女子が目立つからです。

それだけ北里大学医学部は、このグループ面接・グループ討論を重視しています。

 

グループでの面接に自信があれば北里大学医学部、自信を持てないのであれば獨協医科大学医学部と考えていいでしょう。

 

例を上げましたが、医学部の学校推薦型選抜の受験校選定は、なかなか難しいと思います。

 

一番間違いのない医学部推薦の受験校選定は、医学部推薦に詳しい予備校に相談することだと思います。

過去問が公表されていない医学部の学校推薦型選抜でも受験した生徒からの報告があれば、試験内容は分かります。

 

メルオンでは昨年、私立医学部の推薦入試を8名が受験し、7名が合格しています。

1人ひとりの生徒に合った「医学部の推薦入試」を提案出来たことが大きかったと考えています。