先日、今年の医師国家試験合格発表についてお伝えいたしました。

その中で、自治医科大学が新卒、既卒を合わせて１００％合格を達成し、昨年の順天堂大学医学部に続いて、見たことのない「快挙」だとお伝えしました。

自治医科大学の医師国家試験合格率は素晴らしいものがあります。

医師国家試験の結果を見るときには、「出願者数」と「受験者数」も見てほしいところです。「出願者数」は、医師国家試験に出願した人数です。

新卒なら「６年生の人数」と考えていいでしょう。

「受験者数」ですが、これは実際に医師国家試験を受験した人数です。

ちなみに、自治医科大学の新卒を見ると、「出願者数」は１２７人で、「受験者数」は１２１人となっています。

「出願者数」と「受験者数」に違いが出るのは、なぜでしょう？

これは「６年生になって医師国家試験に出願したものの、卒業認定を受けられず留年した学生がいるから」と考えていいでしょう。

自治医科大学では、「６人が６年生で留年してしまい卒業できなかった」と考えられます。

「留年して卒業できなかった」ということは、「医師国家試験を受験しても合格は出来ない」、と大学が判断したと考えてよさそうです。

もし、この６人が医師国家試験を受験していたとしたら、自治医科大学の合格率は変わっていた可能性が高いでしょう。

仮に、この６人が医師国家試験を受験して合格できなかったとしたら、自治医科大学の合格率は受験者１２８人、合格者１２２人で合格率は95.3%となります。

ここで、日本医科大学の医師国家試験の結果を見ると、新卒の出願者は１２５人で受験者も１２５人です。

このうち１２４人が医師国家試験に合格しています。

６年生全員を受験させ、１人を除いて全員が合格していて新卒の合格率は99.2%でした。

既卒を見ると出願者数は４名、受験者数は３名で合格者は２名でした。

既卒者は医師国家試験の受験資格を有していますので、何か別の要因で受験しなかったと考えられます。

日本医科大学の新卒と既卒を合わせた出願者は１２９名で合格者は１２６名でしたので、出願者で考えた合格率は97.7%となります。

順天堂大学医学部についても見てみましょう。

出願者数は１３７人で、合格者は１３４人ですので合格率は97.8%となります。

順天堂大学医学部は出願者全員が新卒で、出願した新卒で３名が合格できませんでしたが、

順天堂大学医学部の合格率は毎年素晴らしいものがあります。

自治医科大学の合格率１００％は素晴らしいのですが、この試算から「私立医学部の国家試験合格率トップは、順天堂大学医学部と日本医科大学」と言ってもいいのではないか、とも思います。