高校の新年度の授業が始まったり、塾や予備校でも授業が始まったと思います。
新しいスタートの、この時期は1年の中でも非常にモチベーション高く、やる気にあふれた時期になります。
やる気にあふれているのはいいのですが医学部入試、歯学部入試に向けて今から「入試レベル」の問題に取り組む受験生がいます。
すでに自分の学力が「入試レベル」の問題に取り組むレベルにあるのであればいいのですが、
多くの受験生には、「入試レベルの問題に取り組む前に、やっておかなければならないこと」があります。
それは、「基礎・基本の確立」です。
英語に苦手意識を持つ受験生が、「英語のカギは長文問題」ということで、長文問題ばかりに取り組む例は非常に多く見られます。
「実際の医学部入試(歯学部入試)では、長文を早く読まなければならないから、長文を早く読む練習をやる」、「英語の長文問題は単語、文法など英語の総合力が問われる。だから長文問題をやれば、単語も文法も大丈夫」という話を英語に苦手意識を持つ受験生から聞くことがあります。
受験生からこういった話を聞くと私は、こう聞きます。
「単語は自信ある?」
そうすると、「いや、単語はまだ覚えきれていないんです」と返ってきます。
「長文問題に取り組む中で、単語も覚えていく」
一見、正しい勉強法のように思えますが、それは単語集をほぼ覚えた受験生の話です。
単語集をほぼ覚えている受験生は、長文問題の中で「単語を覚える」ではなく、「単語力を強化する」のです。
英語が苦手で単語にも自信の持てない受験生は、英語の最も基本となる単語を覚えることから逃げていては、いつまでたっても英語力は伸びません。
「長文問題の中で覚える」といっても、重要英単語を網羅できるとは思えません。
やはり、重要英単語を集めた単語集でまず網羅的に覚えるべきです。
英単語を覚えることは、「問題が解けた」といったような嬉しさを感じにくいとは思います。
「単語を覚えた」といっても、急に英語の点数が上がったり、長文問題がスラスラ解けるようになるものでもありません。
しかし、英単語を覚えていなければ英語の成績が上がるはずはありません。
英単語を覚えることは、地味で面白味のない勉強でしょう。
しかし、だからと言って逃げてはいけない勉強です。
文法の基本事項も同じです。
トップアスリートも素晴らしい記録を出すために地味なランニングをやったり、筋トレをやって「基礎体力」を作っています。
医学部受験、歯学部受験での合格を目指すのであれば、受験の基礎体力である「基礎・基本」をまずしっかり固めてください。