１．駿台予備学校が私立医学部偏差値ランキングを発表

駿台予備学校が、来年の２０２４年度入試に向けた私立医学部の偏差値ランキングを発表しました。

前年の私立医学部偏差値ランキングと比べると３１大学中、１３大学でボーダーライン偏差値が変動しています。

河合塾は既に、５月２１日に２０２４年度入試に向けた「私立医学部偏差値ランキング」を発表していましたが、１カ月遅れで駿台予備学校も「私立医学部偏差値ランキング」（合格目標ライン）を発表しました。

駿台予備学校の私立医学部の偏差値は、合格可能性６０％の偏差値を１刻みで表しています。

河合塾は合格可能性５０％の偏差値を2.5刻みで表していますので、一口に私立医学部の偏差値ランキングと言っても、単純に比較は出来ません。それぞれの違いをよく理解した上で、私立医学部の偏差値ランキングを活用してください。

２　偏差値アップの医学部は４校

さて、駿台予備学校の２０２４年度入試用の私立医学部偏差値ランキングを見ると、昨年の２０２３年度入試用の偏差値と変動があった医学部は、１３校でした。

ボーダーライン偏差値が上昇した医学部は４校、ボーダーライン偏差値が下がった医学部は９校でした。

ボーダーライン偏差値が上がった医学部は慶応義塾大学、大阪医科薬科大学、昭和大学、関西医科大学でした。

このうち大阪医科薬科大学医学部の偏差値は、昨年の６２から６４にアップしています。

他の３校の医学部は偏差値１のアップでしたが、大阪医科薬科大学医学部だけはボーダーライン偏差値が２アップしています。

関西医科大学が学費を大きく引き下げたことに引きずられるように、大阪医科薬科大学も医学部の学費を下げました。

関西の人気２校が学費を下げたことで、関西の国公立医学部志望者が大阪医科薬科大学と関西医科大学の医学部に関心を高めたことが、大阪医科薬科大学と関西医科大学の難易度上昇につながったと考えられます。

駿台予備学校がボーダーライン偏差値を上げた４校の医学部は、いずれも偏差値上位校です。

「私立医学部の中でも難関校は、さらに難しくなった」と言えそうです。

３．偏差値ダウンの医学部は９校

一方、駿台予備学校が「ボーダーライン偏差値が下がった」とする医学部は９大学で、私立医学部の中では「偏差値中位から下位」の医学部でした。

偏差値ダウンの９医学部は東京医科大学、東邦大学、杏林大学、兵庫医科大学、北里大学、東海大学、埼玉医科大学、岩手医科大学、獨協医科大学の９校でした。

いずれの医学部も偏差値は１、のダウンとされました。

いわゆる「旧設医学部」の東京医科大学と東邦大学医学部のボーダーライン偏差値も駿台予備学校は下げました。

この結果、新設医学部の近畿大学医学部が東京医科大学、東邦大学医学部より「難しい」とされました。

これは東京医科大学医学部の募集人員が７９名、東邦大学医学部の募集人員は約７０名に対して、近畿大学医学部の募集人員は５５名と少ないことも影響していると思われます。

福岡県にある２つの私立医学部、久留米大学医学部と福岡大学医学部の偏差値ですが、前年は２校とも５６とされていましたが、今年は久留米大学医学部の偏差値は５６で変わりませんでしたが福岡大学医学部の偏差値は、１下がって５５とされ、久留米大学医学部と福岡大学医学部で難易度に差が出ました。

４．私立医学部で一番易しい大学

駿台予備学校の私立医学部偏差値ランキングで、ボーダーライン偏差値が最も低い、「私立医学部で一番易しい大学」とされたのは、昨年に続き川崎医科大学でした。

川崎医科大学医学部の偏差値は５２とされ、１つ上のランクの医学部と偏差値で２の違いがあります。

河合塾も「私立医学部で一番易しい大学」を川崎医科大学としています。

川崎医科大学の偏差値が低い理由について動画で解説していますので、そちらもご覧ください。

この記事の最後にリンクを貼っておきます。

なお、駿台予備学校が考える私立医学部３１大学のボーダーライン偏差値の平均は前年が58.9で２０２４年度入試は、58.7となっています。

駿台予備学校によれば私立医学部の偏差値は、0.2下がりましたが、「難関」ということに変わりはありません。

川崎医科大学の偏差値が低い理由の解説動画は、こちら

私立医学部の偏差値　駿台予備学校　２０２４年度入試６月版

東北医科薬科大学医学部は、修学資金枠Aと一般枠に分けて掲載。

なお、修学資金枠Bは一般枠と同じ偏差値。