医学部入試

河合塾と駿台の私立医学部偏差値ランクを比べてみると大きな違いが

 

            目次

1. 河合塾と駿台予備学校の「私立医学部偏差値ランキング」

2. 私立医学部で2番目に難しい大学

3. 大阪医科薬科大学と関西医科大学の偏差値

4. 私立医学部の偏差値、全く逆の見解は多い

5. 私立医学部の偏差値を使うのか?

 

1.河合塾と駿台予備学校の「私立医学部偏差値ランキング」

 

医学部受験に際し、受験生や保護者の方が最も気になるのが「医学部の偏差値」でしょう。河合塾も駿台予備学校も、それぞれ私立医学部の偏差値ランキングを発表しています。

2023年6月発表の河合塾と駿台予備学校の、私立医学部偏差値ランキングを見ると、河合塾と駿台予備学校で違いが見えて来ます。

 

前提条件として、河合塾の私立医学部偏差値ランキングは偏差値2.5刻みで表され、駿台予備学校の私立医学部偏差値ランキングは偏差値1刻みで表されています。

河合塾の私立医学部偏差値ランキングで、偏差値60の一つ上は偏差値62.5になります。

一方、駿台予備学校では偏差値60の一つ上は偏差値61になり、偏差値62もあります。

 

このように、河合塾と駿台予備学校では一口に「偏差値」といっても違いがあります。

 

また、河合塾の私立医学部偏差値ランキングは、河合塾が考える合格可能性50%の偏差値を示していますが、駿台予備学校では合格可能性60%の偏差値を示しています。

このように、私立医学部偏差値ランキングと言っても、河合塾と駿台予備学校では違いがあります。

 

2.私立医学部で2番目に難しい大学

 

それを分かった上で、私立医学部の偏差値を見て行きましょう。

 

河合塾も駿台予備学校も、私立医学部で最も難しいとしている医学部は慶応義塾大学医学部です。

私立医学部最難関の慶応義塾大学医学部に次ぐ難関校は、どちらの予備校も東京慈恵会医科大学としています。

 

ただし、河合塾は慶応義塾大学医学部と東京慈恵会医科大学医学部の偏差値の差は、2.5としていますが駿台予備学校は偏差値7の差を付けていて、2つの医学部の難易差に大きな違いがあります。

駿台予備学校は慶応義塾大学医学部を「別格の難しさ」としていますが、河合塾は「東京慈恵会医科大学とワンランクの差」としています。

 

3.大阪医科薬科大学と関西医科大学の偏差値

 

関西の人気校、大阪医科薬科大学と関西医科大学の偏差値がどうなのかを見てみましょう。関西の医学部で長く難易度トップであった大阪医科薬科大学と、学費を大きく下げて注目された関西医科大学の偏差値がどうなったのかは気になるところです。

 

河合塾は大阪医科薬科大学も関西医科大学も、前年の偏差値と同じ67.5としています。

これに対して駿台予備学校は、関西医科大学の偏差値を1アップの62としました。

また、大阪医科薬科大学医学部の偏差値は前年から2上げて、大阪医科薬科大学医学部の偏差値を64としました。

駿台予備学校によれば、「大阪医科薬科大学と関西医科大学の差は開いた」ということになります。

 

ただ、「前年より差が開いた」といっても偏差値2の差ですから、偏差値2.5刻みの河合塾で、「同じ偏差値」と言ってもおかしな感じはしません。

 

4.私立医学部の偏差値、全く逆の見解は多い

 

いわゆる「旧設」医学部の東京医科大学、東邦大学医学部と、ようやく今年3月に1期生が卒業した、私立医学部で最も新しい国際医療福祉大学医学部の偏差値を見てみましょう。

 

駿台予備学校は、国際医療福祉大学医学部の偏差値を61、東京医科大学と東邦大学医学部の偏差値は58としています。

駿台予備学校は、「東京医科大学、東邦大学医学部より国際医療福祉大学医学部の方が偏差値で3、難しい」としています。

 

これに対して河合塾は東京医科大学と東邦大学医学部の偏差値を67.5、国際医療福祉大学医学部の偏差値を65.0としていて、「国際医療福祉大学医学部より東京医科大学、東邦大学医学部の方が偏差値2.5、難しい」としています。

 

東京医科大学、東邦大学医学部と国際医療福祉大学医学部は、どちらの方が難しいのか、駿台予備学校と河合塾で全く逆になっているだけでなく、偏差値の差も大きな違いがあります。

 

国際医療福祉大学医学部と東海大学医学部の偏差値を見ると、河合塾は65.0で「同じ」としていますが、駿台予備学校は国際医療福祉大学医学部の偏差値61に対し、東海大学医学部の偏差値は56とし、偏差値5の差があります。

偏差値5の差ということは、河合塾なら2ランクの差があるということになります。

 

愛知県の医学部、愛知医科大学と藤田医科大学でも河合塾と駿台予備学校で見解が分かれています。

 

駿台予備学校は「愛知科大学と藤田医科大学の偏差値は58で同じ」としていますが、河合塾は「愛知医科大学の偏差値は62.5、藤田医科大学の偏差値は65.0で、藤田医科大学の方がワンランク難しい」としています。

 

愛知医科大学と金沢医科大学の偏差値を見ても、違いが明白です。

駿台予備学校は、「愛知医科大学の偏差値は58,金沢医科大学の偏差値は55で愛知医科大学の方が偏差値で3、難しい」としています。

 

河合塾は、「愛知医科大学の偏差値は62.5に対し、金沢医科大学の偏差値はワンランク上の

65.0で金沢医科大学の方が難しい」としています。

駿台予備学校は「愛知医科大学の方が難しい」としていますが、河合塾は「金沢医科大学の方が難しい」としています。

「愛知医科大学と金沢医科大学のどちらが難しいのか」、についても駿台予備学校と河合塾では全く逆の考えです。

 

では次に、愛知医科大学と福岡大学医学部を見てみましょう。

 

駿台予備学校は、「愛知医科大学は偏差値58,福岡大学医学部の偏差値は55で、偏差値で3、愛知医科大学の方が難しい」、としています。

河合塾は、「愛知医科大学の偏差値は62.5、福岡大学医学部の偏差値は65.0で福岡大学医学部の方が偏差値で2.5、難しい」としています。

ここでも駿台予備学校は「愛知医科大学の方が難しい」、河合塾は「福岡大学医学部の方が難しい」と、全く逆の考えです。

 

5.私立医学部の偏差値を使うのか?

 

河合塾と駿台予備学校の、私立医学部偏差値ランキングを見て来ましたが、このように大きな違いも見受けられます。

私立医学部受験に際し、「偏差値」は非常に気になると思いますが「私立医学部の偏差値」は万能ではないことが、お分かりいただけたと思います。

 

医学部受験で、受験校を考える際に「偏差値」を無視するわけには行きません。

とは言え、絶対視するのもどうかと思います。

 

私立医学部受験で、私立医学部の偏差値はあくまで目安と考えて下さい。

 

なお、「私立医学部で一番易しい大学」は、駿台予備学校も河合塾も川崎医科大学で共通しています。

 

私立医学部の偏差値 駿台予備学校と河合塾 2024年度入試6月版

 

大学 駿台 河合塾
     
慶應義塾大学 73 72.5
東京慈恵会医科大学 66 70.0
順天堂大学 A方式 65 70.0
日本医科大学 前期 64 70.0
大阪医科薬科大学 前期 64 67.5
自治医科大学 62 67.5
昭和大学 1期 62 67.5
関西医科大学 前期 62 67.5
国際医療福祉大学 61 65.0
産業医科大学 60 67.5
東北医科薬科大学 修学A 59 65.0
近畿大学 前期 59 65.0
東京医科大学 58 67.5
東邦大学 58 67.5
愛知医科大学 58 62.5
藤田医科大学 前期 58 65.0
東北医科薬科大学 一般 57 65.0
杏林大学 57 65.0
帝京大学 57 65.0
日本大学 N1期 57 65.0
兵庫医科大学 A 57 62.5
北里大学 56 62.5
東海大学 56 65.0
聖マリアンナ医科大学 56 62.5
久留米大学 56 65.0
東京女子医科大学 55 62.5
金沢医科大学 前期 55 65.0
福岡大学 55 65.0
岩手医科大学 54 62.5
獨協医科大学 54 62.5
埼玉医科大学 前期 54 62.5
川崎医科大学 52 60.0