医学部入試

受験生の偏差値を見て、けして親が言ってはいけない言葉

受験生の頑張りの成果を確認する方法として、模試の「偏差値」を見る親御さんは多いと思います。

この「偏差値」は分かりやすい指標ですし、他に適当な指標がなかなか無いことから親御さんは「偏差値」に頼ることが多くなると思います。

 

この「偏差値」が順調に上がればいいのですが、なかなかそうは行きません。

受験生が医学部受験、歯学部受験に向けて本気で頑張っていても、偏差値はなかなか上がりません。

なぜなのでしょうか?

 

それは、「模試の偏差値は、他の受験者との比較」だからです。

 

受験生が、自分だけが頑張っているのなら偏差値も順調に上がっていくでしょう。

しかし、他の受験生も同じように頑張って勉強をしています。

 

自分が10歩進んで、「ライバルに差を付けることが出来た」と思っても、ライバルも10歩進んでいれば差は付きません。

10歩進んで自分の学力は以前に比べ確実に上がっていても、「偏差値」は変わりません。

 

受験生本人は、学力の伸長を感じていても、他の受験生も学力が伸びていれば「偏差値」は

変わりません。

 

親御さんが、「偏差値」の数字だけを見て上がっていなければ、つい「本当に頑張っているの?」、「こんなんじゃ医学部合格は無理」と言ってしまいそうです。

 

特に浪人生の「偏差値」には注意が必要です。

先ほども触れたように、「偏差値」は他の受験生との比較です。

5月や6月に受ける模試の受験者の多くは、「つい数か月前まで高校2年生」だった現役生です。

5月や6月の模試は浪人生に有利で、偏差値も高く出るのは当然です。

 

ところが3年生になった現役生が高校の履修範囲をこなして行き、学力が伸びて行けば浪人生との学力差は縮まって行きます。

医学部受験では浪人生も多いのですが、現在の大学受験生の多くは現役生です。

当然、模試の受験者の多くは現役生ですから浪人生の「偏差値」は最初に受けた模試の偏差値が1年で最も高い、ということは珍しいことではありません。

 

模試の偏差値を見て親御さんが、「全然上がらない」、「偏差値下がってる」といったことを言うと受験生本人の気持ちは萎えてしまします。

 

受験生本人も親も、「偏差値とは、こういうものだ」ということをきちんと理解して「偏差値」を見るようにしてください。

 

「学力の伸び」と「偏差値の伸び」は、同じではありません。

 

また、医学部受験や歯学部受験の偏差値ランキングは気になるでしょうが、あくまで参考にとどめておいて下さい。

医学部受験も歯学部受験も、それほど単純ではありません。