今年のノーベル生理学・医学賞は、ハンガリー出身のアメリカペンシルベニア大学のカタリン・カリコ特任教授と同じペンシルベニア大学のドリュー・ワイスマン教授に授与されることが昨日、発表されました。
残念ながら日本の研究者の受賞はなりませんでしたが、二人の研究はノーベル賞に相応しい研究だと思います。
二人の研究は、新型コロナウイルスワクチンの、短時間での開発を可能にしたmRNAの基盤技術を開発しました。
2020年に新型コロナウイルス感染症が世界中に広まり、世界中がこの先どうなるのだろうと不安に襲われていた時、二人が開発したmRNAの基盤技術を使った新型コロナウイルスワクチンが開発、実用化され、多くの命が救われました。
「ワクチン開発には少なくとも数年かかる」と言われていましたが、2020年12月にはアメリカなどで新型コロナウイルスワクチンが緊急承認を受けました。
mRNAに関する研究は以前から行われていましたが、mRNAは壊れやすく、体内の免疫反応を過剰に起こすことから、なかなか上手く行きませんでした。
しかし二人は免疫反応を回避する方法を見つけ、mRNAワクチンの基盤技術を確立しました。
このmRNAを使うことで、様々な病気の予防や治療に使う「mRNA医薬」の普及が期待されています。
実際に、エイズウイルスやジカウイルスなどの感染症のワクチンも臨床試験が行われていますし、希少疾患の治療薬開発への応用も期待されています。
今日、生物の先生とmRNAの話をしたところ、「今年の入試で生物では、mRNAは出題される」と予想していました。
「ただ、高校では扱わないことが多いと思われるので現役生も、高校とは別にやっておいて欲しい」と話していました。
医学部入試や歯学部入試の小論文や面接で、取り上げられることも多くなると思います。
生物を選択していない受験生も、「聞いたことが無い」はまずいでしょう。
専門的に説明できる必要はありませんが、医療人を目指す受験生として最低限の理解は必要だと思います。