医学部入試

今日の朝日新聞朝刊に、大学入試における卒業生子女枠に関する1ページを埋める記事が掲載されていました。

 

記事は、「日本では、一部の私立大学が総合型選抜や学校推薦型選抜で、卒業生の子ども向けの「枠」を設けている」とし、駿台予備学校のコメントとして「建学の精神や伝統の継承という大義もあるが、学生確保の要素が強い」とするコメントを載せています。

 

確かに私立歯学部の卒業生子女枠、同窓生子女枠には、そういった面もあると思いますが、私立医学部は、現状では入学者の確保には苦労していません。

「大学入試の中で、医学部入試は別物」ということが改めて分かります。

 

私立医学部で卒業生の子女のために「卒業生子女枠」や「同窓生子女枠」を設けているのは昭和大学医学部、東京女子医科大学、東邦大学医学部、日本大学医学部、金沢医科大学、兵庫医科大学の6校です。

岩手医科大学医学部の総合型選抜も、卒業生子女枠に近い入試と言えると思います。

 

私立歯学部では奥羽大学歯学部、日本大学松戸歯学部、日本大学歯学部、神奈川歯科大学、松本歯科大学の5校で、卒業生子女枠、同窓生子女枠を設けています。

 

学生確保に苦労することのない私立医学部が、卒業生子女枠や同窓生子女枠を設けるのは、

卒業生から「自分たちの子供が全然、入学できない」という声が多く届くからのようです。

 

ある大学が卒業生の子供のための「枠」を設けた時、同窓会で大学側から「皆さんのお子様のために新しい入試を作りました」と説明があったそうです。

 

卒業生の子供を別枠で入学させることについて文部科学省は、「入試要項に明記してはっきりと公表すればOK」という立場のようです。

 

一方で、「学力試験の難度と比重が低く、倍率も高くない枠を卒業生の子供に設けると、親が医師ではない受験生の席が減る。大学は制度の社会的な意義や成果をきちんと説明し、社会の理解を得る必要がある」という考えも記事には書かれています。

 

確かに、親がその大学の卒業生ではない受験生にとっては、すっきりしない医学部入試と言えそうです。