河合塾や駿台予備学校、ベネッセが主催する模擬試験の志願動向を見ると、大学受験生全体の数が減っている中、私立医学部は堅調な人気を示しています。
他の学部に比べ、飛ぶ抜けて難しい私立医学部入試は、2024年度入試も変わらないことは間違いないでしょう。
また、2025年度入試から新課程入試となりますが、新課程入試を避けるため例えば、国公立医学部志望者が私立医学部を併願する動きが加速することも考えられます。
学力上位の国公立医学部志望者が、私立医学部入試にも入り込んでくると私立医学部入試は、さらに難関化することも考えられます。
こういった状況の中、「今年どうしても医学部に合格する」のであれば、ぜひ医学部の地域枠を検討してください。
医学部入試で、地域枠は一般枠に比べ易しくなる傾向にあります。
例えば、昨年の昭和大学医学部1期では募集人員83名の一般枠の他に、募集人員7名の新潟県地域枠、募集人員8名の静岡県地域枠、募集人員4名の茨城県地域枠が行われました。
昭和大学医学部では、それぞれの合格最低点を公表しています。
昨年の昭和大学医学部1期の1次試験は400点満点でおこなわれましたが、一般枠の合格最低点は231点でした。
これに対して、新潟県地域枠の1次試験合格者の最低点は180点、静岡県地域枠の1次試験合格最低点は189点、茨城県地域枠の1次試験合格最低点は202点でした。
1次試験合格最低点
一般枠 | 新潟県地域枠 | 静岡県地域枠 | 茨城県地域枠 |
231点 | 180点 | 189点 | 202点 |
いずれの地域枠の1次試験合格最低点も、一般枠の1次試験合格最低点に比べかなり低くなっています。
一般枠と新潟県地域枠の最低点の差は、400点満点でなんと51点も違います。
4科目入試ですから1科目10点以上低い計算になります。
一般枠なら各科目58点が必要となりますが、新潟県地域枠では各科目45点で1次試験に合格することが出来ます。
これは、昨年だけの特殊な結果ではありません。
一昨年も、同じような試験結果になっています。
このように、医学部入試の地域枠は一般枠に比べ、合格のチャンスは大きく広がる傾向にあります。
「何が何でも医学部合格」ということであれば、ぜひ地域枠の受験を検討して下さい。
なお、私立医学部の地域枠で、出身地の制限を設けている地域枠は少なく、多くの地域枠は全国の受験生が受験することが出来ます。
ただ、地域枠には卒業後9年程度の「義務」が生じます。
卒業後の「義務」は、地域枠によって異なりますので、そこはしっかり確認してください。