昨日、今年の医師国家試験、第118回医師国家試験の合格発表がありました。
これについては昨日のブログで書きましたので、そちらをご覧ください。
今日は、毎年医師国家試験の合格発表があるたびに話題になる「なぜ、東大の医師国家試験合格率は振るわないのか?」についてです。
今年の東京大学医学部の医師国家試験合格率は91.3%でした。
これは全ての医学部を持つ大学の中で50位以下の合格率です。
日本の大学入試で最難関と言って間違いないのは、東京大学理科Ⅲ類でしょう。
東京大学理科Ⅲ類に入学すると基本的に医学部医学科で学ぶことになります。
日本で最も優秀な学生が集まる東京大学医学部医学科の医師国家試験合格率は、他大学の合格率を見ると、「さすが東大」と言えるような合格率とは言えないと思います。
ではなぜ、東大の医師国家試験合格率は毎年振るわないのでしょうか?
私は、「医者になりたい気持ちが無いまま東大理3を受けて、合格した学生がいる」という事が、医師国家試験の成績が振るわない最大の理由だと考えています。
「医師になりたいから、医学部医学科に進学できる理科Ⅲ類を受ける」という受験生がほとんどだとは思いますが、一部に「日本で一番難しいから、東大理3を受ける」という受験生もいるようです。
東京大学医学部の医師国家試験合格率を見ると新卒は94.1%、既卒は55.6%と、新卒と既卒で合格率に大きな差があります。
東京大学の医師国家試験合格率が振るわない要因として既卒の合格率があります。
医学部卒業生が医師国家試験に合格出来ない理由は、いろいろあると思います。
既卒の合格率は、どの大学もよくないのですが、「特に医師免許にこだわらない」という
学生の存在が東大には多く、このことが合格率の足を引っ張っていると考えています。
予備校の講師にも東京大学医学部医学科の卒業生がいます。
医師免許を取得していない先生に「なぜ、医師免許を取らないのですか?」と聞いたことが
ありますが、その時の答は、「そんなもん、いつでも取れるから」と言っていました。
私は、この先生に対して「最初から医者になる気はなかったんだろうな」と感じました。
別の東大医学部医学科を卒業した方は、現役で東大文1に合格し、次の年には東大理3に
合格していました。
医師免許は持っていましたが医療には携わってはいませんでした。
その方は「自分は文系で一番難しい東大文1と理系で一番難しい東大理3に合格した」という事が自慢のようでした。
自分で「受験オタクです」と言っていました。
医学の知識を生かして起業したりする人を否定するものではありません。
誰もが自分の考えで人生を進めばいいとは思いますが、医師になる気が乏しい人が医学部に進学することは、本人にとってどうなんだろうと思います。