前回のブログでは、私立歯学部の受験校を
決める際のポイントをお伝えいたしました。
歯学部の偏差値(入試難易度)や入試科目、
出題範囲(試験範囲)などを受験校選定の
ポイントとして挙げましたが、講演では
「受験校を選ぶ時に、誰も教えてくれない
こと」として「校風」を挙げていました。
私立歯学部は、各校それぞれ校風がありま
す。私立歯学部に進学したメルリックス卒
業生達の話を聞くと、よく分かります。
歯科医を養成することが歯学部の第一の目
的と考え、歯科医師国家試験合格に向け、
学生を厳しく管理する大学もあれば、自己
管理が出来ないようでは歯科医になったと
しても使い物にならないと考え、学生の自
主性を重んじる大学もあります。
部活に対する考えも、大学によって異なり
ますし、医療系学部との連携を進めている
大学もあります。
私立歯学部は一般的に、1学年100名程
度となります。高校のクラスで言えば、3
クラスあるかないかでしょう。同級生は、
大学の試験や歯科医師国家試験を共に乗り
越える仲間です。この少ない人数で6年間
を過ごすわけですから人間関係は同じ学年
はもちろん、上下でも濃くなるものです。
さらに卒業後も同窓として、その関係は続
きます。表面的な数字ではなく環境に馴染
めるかは非常に大切です。だから、校風は
大切なのです。
そのことも頭に入れて私立歯学部の受験校
を決めてください。
さて、来年1月のセンター試験が最後のセ
ンター試験になり再来年1月からは大学入
学共通テストが始まります。このことは、
私立歯学部一般入試にどう影響するのでし
ょうか?
私立歯学部受験生だけを見ると大きな影響
は無いと考えていいでしょう。
ただし私立歯学部入試は、医学部志望者が
歯学部を併願することが多いため、医学部
入試の影響を受けます。
医学部志望者は、前期は医学部を受験し歯
学部を受験する場合は、後期・Ⅱ期での受
験が多くなります。1年先の大学入試改革
を避けるために、「今年で決めたい」という
受験生が多くなるでしょう。この結果、国
公立医学部志望者が私立医学部へ流れ、私
立医学部志望者が私立歯学部えを併願する
という構図が例年以上にありそうです。
国公立医学部志望者が合格の可能性を考え、
国公立歯学部を受験することも考えられま
す。私立歯学部受験生そのものの動向に大
きな変化は無くとも、医学部受験生の動向
には影響を受けそうです。
では、私立歯学部受験生の皆さんは、どう
すればいいのでしょうか?
医学部受験生は、歯学部の過去問対策を
している時間はありません。その結果、
偏差値的には余裕があっても、いい結果
が出ないことがよくあります。
私立歯学部受験生の皆さんは、しっかり
とした過去問対策を進めてください。
同じように、医学部志望者が歯学部を受
験するとしても歯学部の面接対策まで手
が廻りません。「なぜ、医師ではなく歯
科医師を目指すのか」と聞かれて答えに
窮する医学部受験生が少なくありません。
歯学部受験生の皆さんは、歯学部の面接
対策を完璧に仕上げてください。
また、医学部志望者の少ない前期・Ⅰ期
で歯学部合格を勝ち取るつもりで受験校
を考えてください。
万一、前期・Ⅰ期で正規合格とならなか
った場合には後期・Ⅱ期の受験校をどう
するのかも、事前に考えておいてくださ
い。
なお、鈴村学院長の講演の最後には17
の私立歯学部それぞれの特徴や入試につ
いて1校ずつ話がありました。