目次
1. 夏は医学部受験、歯学部受験に向け自分で計画を立てられる 2. 夏で調子を崩してしまう受験生 3. 医学部合格、歯学部合格に向け、優先順位を考える 4. 医学部、歯学部の推薦・AOを受けるか、受けないかで計画は変わる 5. 夜型になってはいけない 6. 医学部受験、歯学部受験に向けて、夏にやらなくていいもの |
1.夏は医学部受験、歯学部受験に向け自分で計画を立てられる
高校生の皆さんは夏休みに入ると医学部受験、歯学部受験に向けて自分で勉強の計画を組み立てることの出来る期間になります。
夏休みは自分の状況を考えながら、医学部や歯学部の志望校合格に必要なことに絞って勉強を進めることが出来ます。
浪人生の皆さんも、予備校が夏期講習に入り通常とは違うスケジュールになる人も多いと思います。
「この夏は頑張るぞ!!」という気持ちはいいのですが、多くの受験生を見てきて「夏を上手く使えないことになる受験生」「夏で調子を崩してしまう受験生」に共通のパターンがある、と感じています。
2.夏で調子を崩してしまう受験生
夏が上手く行かない受験生の最も多いパターンは、「詰め込み過ぎの計画を立て、それをガムシャラにやろうとする」です。
「夏が勝負」、「夏に一気に逆転」という気持ちが強すぎ、無理な計画を立て、とにかく計画を守ろうと必死になってやる受験生がいます。
ものすごく頑張っていて、本人も「やった感」を持ったとしても、先へ先へと進むことに重きを置きますので、「学習内容の定着」となると怪しくなります。
仕上げたはずのことが「やったはずなのに・・・」となりがちです。
ここで大切なことは、「計画を作る時に優先順位も考える」です。
3.医学部合格、歯学部合格に向け、優先順位を考える
まず最初に、「これだけは絶対にやり切る」、という最優先でやることを決めます。
「この問題集の基礎問題をもう一度解きなおす」、「文法の問題集を仕上げる」など、この夏に、絶対にやっておきたいことをいくつか考えます。
忘れてはいけないことは、「間違いなくこなせる量」にすることです。
「夏」は、基本事項を仕上げることが求められる時期です。
基本事項が完成している受験生は先に進んでいいのですが、基本事項がまだ完全ではないと感じているのなら、基本事項を固めることが最優先事項になります。
医学部受験も歯学部受験も、「合格者なら解いてくる基本的な問題」で落としていては勝負になりません。
最優先事項を決める時、「最優先と考えたことだけで、既に詰め込み過ぎ」とならないよう、余裕を持った計画にして下さい。
次に、「なるべくやりたいこと」を考えて下さい。
最優先事項の進み具合を見ながら、「やる、やらない」を調整します。
最優先事項が順調に進むようなら、「なるべくやりたいこと」も進めて下さい。
最優先事項が上手く進まないようなら、途中でストップする勇気を持ってください。
「なるべくやりたいこと」は、最優先事項の進み具合を見て「やる、やらない」を考える、ということを頭に置いて計画してください。
そして、最後に「最高に上手く行ったらやる」ことを考えて下さい。
これは、計画段階から「やれなくても仕方ない」と考えておいて下さい。
ともすると、「上手く行ったらやる」はずのことも、進行状況と関係なくやりたくなりがちですが、時間は限られています。
「最優先事項」をやり切ることが何より大切だということを忘れないようにして下さい。
夏で全てを終わらそうとすると、過重な計画となり結局、「何一つまとまらない」ということになりがちです。
しっかりと優先順位を考えて下さい。
4.医学部、歯学部の推薦・AOを受けるか、受けないかで計画は変わる
さて、夏の計画を立てる時に、計画の立て方が「人によって違う」ということがあります。
それは、「医学部・歯学部の推薦入試、AO入試を受けるのか、一般選抜だけを受けるのか」による違いです。
医学部受験でも歯学部受験でも、「推薦入試、AO入試を受けるのか、受けないのか」によってゴールの時期が変わります。
学校推薦型選抜(推薦入試)、総合型選抜(AO入試)を受けるのならゴールは、10月や11月になります。
当然、そこに合わせた「夏の計画」となります。
一方、一般選抜だけを考えているなら年明けがゴールになり、そこを目指しての「夏の計画」になります。
余談ですが、医学部や歯学部以外の私立大学一般選抜は、主に2月に行われます。
例えば、早稲田大学や慶應義塾大学の一般選抜は2月中旬からになります。
医学部、歯学部以外の私立大学一般選抜を考えている受験生は、2月をゴールとして計画を考えます。
同じ私立大学でも医学部や歯学部とは感覚が違いますので、引きずられないように注意してください。
5.夜型になってはいけない
夏にやってはいけないこととして、「夜型になってはいけない」ということもあります。
「次の日、高校や予備校が無い」、となればついつい夜遅くまで起きていてしまいがちです。
そうすると朝、起きるのが遅くなり、いつの間にかズルズルと夜型の生活になってしまいます。
夏が終われば、高校も予備校もいつものように朝から通学しなければなりません。
夜型から戻す必要があるのですが、しばらくは調子が出ないものです。
生活リズムを壊さないように気を付けて下さい。
6.医学部受験、歯学部受験に向けて、夏にやらなくていいもの
「夏にやらなくていいもの」、もあります。
小論文と面接です。
学校推薦型選抜や総合型選抜を受けるのであれば、夏に少し小論文や面接をやってもいいと思いますが、たくさんやる必要はありません。
一般選抜だけを考えているのであれば、夏に小論文、面接をやる必要はありません。
塾や予備校が、「夏に小論文を始めないと間に合わない」と言うかもしれませんが、それは「予備校の都合」、「大人の都合」です。
これまで非常に多くの受験生を医学部合格、歯学部合格に導いてきた私は、「一般選抜だけを考えているなら、小論文は秋以降で十分に間に合う」と自信を持って言えます。
小論文をやってはいけない、ということではありません。
「小論文より優先してやるべきことがある」、ということです。
面接も同じです。
医学部や歯学部の方と何度もお会いして人間関係を築いてから、「小論文の採点は、誰がどうやってるのですか?」、「配点が付いてますが、差は付くのですか?」と言ったことをお聞きします。
医学部も歯学部も、真剣に小論文の採点をしています。
ただし、評価者は国語の先生ではありません。
医学、歯学を専門とする先生が小論文の採点、評価をします。
一方、塾や予備校で小論文を教える先生は、基本的に国語の先生です。
小論文を教える先生が、「医学部入試や歯学部入試で求められる小論文」を理解して指導してくれるのならいいのですが、ほとんどの先生は医学部や歯学部の関係者とは会ったことが無く、「医学部(歯学部)だからこうだろう」と想像して、指導していると思います。
以前、小論文の先生にお集まりいただき、「小論文は、こういう指導をして下さい」と話したことがあります。大学で出張講義をしている先生は、「そうだよね」と言ってくださいましたが、多くの小論文の先生は不服そうな顔をしていました。
熱心に指導してくださるのはありがたいのですが、方向違いにならないよう「ここを目指して指導してください」と、ことあるごとにお願いしています。
話がズレてしまいましたが、「夏に、自分は何を優先してやるべきか」を考えることが重要です。
優先順位を考えて勉強を進める。
生活リズムを崩さない。
この2つを大切にして、夏を有意義な「夏」にして下さい。