私立医学部入試では、共通テスト利用入試を実施する大学も少なくありません。
私立医学部の共通テスト利用入試には、注意すべき点がいくつかあります。
私立医学部の共通テスト利用入試の1次試験は共通テストの得点が使用されますので、共通テストを受けておけば、各大学医学部の共通テスト利用入試の1次試験は「受験した」ことになります。
ですから、私立医学部の一般選抜が連日続く中、共通テストを受けることで何校もの医学部共通テスト利用入試の1次試験は受けたことになります。
医学部受験生にとっては、併願しやすい医学部入試です。
共通テストを受験するからと言って、私立医学部の共通テスト利用入試にむやみに出願するのはどうかと思います。
共通テスト利用入試に出願するとなると、受験料が必要になります。
「受験料は気にしない」というご家庭もあると思いますが、出願の手間は受験校の数だけ増えます。
そもそも、共通テストを受けるとなると「共通テスト対策」が欠かせません。
私立医学部一般入試対策に加えて、共通テスト対策もやらないわけには行きません。
国公立医学部と私立医学部を併願するのであれば避けて通れない道ですが、私立医学部だけを受ける受験生としては、2つの対策の時間調整が難しいでしょう。
受験生としては、いくらでも時間が欲しい時期に私立医学部一般入試と共通テストの2つの対策を進めなければなりませんので、上手くバランスを考えてください。
私立医学部の共通テスト利用入試の出願締め切りは、原則的に共通テストの試験日より前になります。
国公立医学部のように、共通テストを受けた後に自己採点をして出願校を決めることは出来ません。
ある意味、「見切り発車」とならざるを得ません。
私立医学部の共通テスト利用入試を出願する際に必ず見て欲しいのは、「合否判定に使う科目は何か?」です。
私立医学部の共通テスト利用入試では、合否判定に使う科目は大学により様々です。
例えば、順天堂大学医学部の共通テスト利用入試で合否判定に使用する教科・科目は英語、数学、理科に加え国語と地歴公民となります。
英語はリスニングも含まれますので、国公立医学部と同じになります。
一方、帝京大学医学部の共通テスト利用入試では英語が必須で、そのほかに数学、理科、国語から2科目選択になります。
例えば、「英語、数学1・A、化学」といった選択になります。
私立医学部の共通テスト利用入試では、「合否に使用する科目」と「配点」に注意して下さい。
河合塾の「医学部の難易度」では、帝京大学医学部共通テスト利用入試のボーダーライン得点率を90%としています。
そして、東京医科大学の共通テスト利用入試のボーダーライン得点率は85%としています。
医学部受験生の皆さんは、「東京医科大学より帝京大学医学部の方が難しいの?」と疑問に思うかもしれません。
帝京大学医学部共通テスト利用入試の合否に使用する科目は、先ほど述べたように3科目ですが、東京医科大学の共通テスト利用入試は英語、数学(1A,ⅡB)、理科2科目に加え国語と地歴公民になります。
東京医科大学のように5教科7科目となれば、「全ての科目で高得点」は簡単ではありません。
3科目の帝京大学医学部と比べると当然、ボーダーライン得点率は低くなります。
こういったことがありますので、私立医学部の共通テスト利用入試を考える際には、合否に使用する科目と配点にも注意してください。
その際には、「国語」とあった場合、古文・漢文は含まない大学もありますので注意して見るようにして下さい。